医療設備のIT化には電子カルテ、レセプトコンピュータ、検査ファイリング、画像ファイリングなど様々なものがある。メリットとしては、電子カルテの導入で転記がなくなることによって誤記を防ぎ、安全性を向上させることができる。文字がきれいなので見間違いが減り、速くて正確な閲覧と検索ができることによって医療の質の向上も見込まれる。カルテの検索と運搬の手間を省くことができるうえ、患者の取り違えを未然に防ぐことが可能だ。カルテや検査データ、画像データの保管スペースが減ることで場所の有効活用ができるようになる。電子カルテでデータを共有することにより、複数の部門や医療機関で同時に速やかにカルテを閲覧できるようになり診療の連携ツールとして活用できるのだ。
レセプトコンピュータはレセプトの算定漏れや過剰請求を防ぐ。オーダーや会計、予約など他システムとの連携で、患者の待ち時間を減らすことが可能だ。コスト面でもカルテ紙やフィルム、検査紙などの消耗品や人件費を削減することができるというメリットもある。デメリットとしては、紙カルテに比べてコンピュータに向かって診察する時間が増え、患者の状態を見誤る可能性や、消耗品のコスト削減よりも導入費用が高価になる。さらに、システムへの不正アクセスによって患者の情報が漏えいするなどのリスクも伴う。また、システムがダウンすることにより診療がストップしたり、接続できる医療機器に制限があって新たな設備投資を必要とする場合があるため注意が必要だ。